最近注目されている鯖缶。手軽なだけではなくダイエット効果などもうたわれているようですが、本当はなにがよいのでしょうか?厚生労働省が発表した”「日本人の食事摂取基準2015年度版」策定検討会報告書”から紐解いていこうと思います。
鯖に含まれるオメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)ってなに?体の影響は?
鯖には体内では合成でいないオメガ3脂肪酸の中でも魚由来のDHA/EPAをたっぷり含んでいます。そもそもDHAやEPA、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)とはなんでしょうか?
オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)には食用調理油由来のα-リノレン酸と魚由来のEPAとDHAなどがあります。体内に入ったα-リノレン酸の一部はEPAやDHAに変換されるそうですが、これらの脂肪酸は体内では合成ができないので、経口摂取する必要が有ります。欠乏すると皮膚炎など様々な欠乏症を招くといわれ、厚生労働省が発表した”「日本人の食事摂取基準2015年度版」策定検討会報告書”においても1日の摂取量の目安量が記述されています。
オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)・DHA/EPAの嬉しい効果
特に疫学データではEPAやDHAの摂取量を用いた研究が多くされており、先に挙げた厚生労働省発表の報告書にも記載があります。例えば・・・・
・18g/1日のEPA摂取で脳卒中患者さんの再発の相対的危険率が20%減少
・日本男性においても小型の魚(鯖、さんま、いわし、うなぎ)を多く摂取する群で糖尿病罹患のリスク低下が認められた
・魚由来のn─3 系脂肪酸摂取量用量依存性に、肝がん罹患が減少することを認められたこと
・DHA、EPAの摂取量に関して最大摂取群は最小摂取群に比べて乳がんリスクが14%減少
・冠動脈疾患に関してもEPA/DHA2.1 g/日を摂取しているグループは0.3 g/日摂取しているグループに比べて、67% もハザード比が減少
・n─3 系多価不飽和脂肪酸の摂取量が多い方は血圧が低く、EPA/DHA/DPA 総和の血中レベルが高い方は血圧が低い
などの研究報告があり、脳卒中や糖尿病、乳がん、大腸がん、肝がん、加齢黄斑変性症、あるタイプの認知障害やうつ病に対しても予防効果を示す可能性を指摘しています。
また高血圧患者さんに対しては、魚由来のn-3系脂肪酸(EPA/DHA)を積極的に摂取することを推奨しています。もちろん他の食事因子も加味しないといけませんが、降圧効果発揮には3g/日以上の魚油の摂取が必要とか!
このようなデータや研究をみてみても、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)、DHA/EPAの体に嬉しい効果を理解できると思います。
それでは実際1日どれくらいの摂取がよいのでしょうか?次回に続きます。