TIRPSE オーナー 大橋直誉様〜お茶と料理のペアリング〜
TIRPSEからは大橋さんがご登壇!!豪華な方々に拝聴している私も大興奮でした。
TIRPSEでは今年7、8月にお茶とのペアリング8グラス、もしくは日本酒のペアリング8グラスでワインなし!というディナーをされていたそうです。ワインがないため当日キャンセルなども見られたそうですが、生産者の方々はやはり喜んでらしたそうです。
以前もランチで1年間限定デザート6皿コースのご提供されたことがあるようですが、これもパティシエという存在を尊重したい思いから開催されたものだとか。
伺ってみたかった・・・・!
TIRPSEお茶とのマリアージュ “TEARPSE”
店名を文字って“tearpse”。ニューヨークの世界の3つ星レストランがTEA sommelierとして日本のお茶の説明もしながらすすめているのをご覧になったとき、これはやらなきゃ!との考えにいたったそうです。ゴールは香りの増幅・リフレッシュ。
お茶を構成する要素である、テクスチャー=タンニン、旨味=テアニンなども重要な要素で、それぞれ入れる温度も考慮が必要。1皿のお料理といっても1口目、口の中からお料理がなくなったとき、後に残る味など、味の時間の変化による印象の違いもあります。例えばイカ刺しと肝が混ざった函館の漁師料理もありますが、最初に口にした時に感じるのは生姜の香りが強いかもしれませんが、噛み終わった後に残る味は変わりますので、段階によって合わせるものも変わってきます。
これは大変な作業です。
「八女」のお茶
大橋さんも直接生産地に行ってお茶摘みを体験されたそうです。そこで今回ご紹介されてたのは「八女」のお茶。なんと品評会で平成13年から14回も受賞されており、先日の品評会では満点!!私も初めて「八女」のお茶を知りました。
こんなに素晴らしい「八女」のお茶ですが、30代で八女のお茶摘みに関わっている方は6人のみ。後継者問題も抱えているそう。
「八女」のお茶とイカとのマリアージュ
今回学会テーマである「イカ」。TIRPSEのシェフと作り出したのは、イカのテクスチャー・イカの肝の蘇(乳酸)・イカスミのパスタ(アミノ酸)を組み合わせた一皿。
こういったマリアージュは日本人の直感や素材・調理法の理解からくるものだそうで、ソムリエさんだけではなくシェフと料理の相談もしながらチームでお茶とのペアリングを考えるべきとおっしゃっていました。
最後に、日本のお茶のこれからの可能性について麻布十番「山田チカラ」の山田チカラシェフがコメント。ご実家は無農薬のお茶農家でらっしゃるそうで、今回のテーマにも大変ご興味お持ちだったようです。
昨今ではペットボトルのお茶が多く、ご自宅にお急須すら持っていないご家庭が多いよね、と。確かに私の友人の家にもお急須といったものは身ないことが多い様に思います。
日本茶の海外輸出に関しても、海外のご家庭で浸透しているのは中国茶がほとんどだとか。日本のお茶の農薬の基準が海外のものと合わないため、お茶を飲むことが一般的になっている海外でもラインナップは中国茶という現実なのだそうです。
お茶と料理のペアリング、というテーマと共に、日本のお茶という食文化についても考えさせられました。