広がる鹿問題 鹿肉をユニークな加工品へ
全国的にも鹿の被害というものはよく伺っておりましたが、その鹿肉をユニークな発想で、美味しく、そして女性にも嬉しい加工商品としてリリースされているのが、今回ご縁いただいた原田商店様。
長野県で営まれている原田商店様は、自然との調和で生まれる商品作りをコンセプトに商品開発を進めています。
現在長野県も他地域と同じように鹿の被害が多く、駆除とその後の処理に頭をかかえているそうです。
ハンターも高齢化している中、銃殺後も県指定の解体場へ規定時間内に運ぶ必要性があります。流通コストもかさんでしまうため、鹿肉を使ってほしいという思いとは反対に、牛肉よりも値段が跳ね上がってしまうという現実。
とはいえ、鹿もひとつの生命。その生命を決して無駄にしたくない、長野県でもその鹿肉を加工品として使えないか、という話の中で挑戦をされたのが原田商店様です。
飲食店では鹿肉を使用した一皿をみかけますが、家庭での調理は火入れ・保存などハードルが上がってしまいます。
そこで原田商店様がご提案されたのが、美味しく手軽に食べられて、身体にも嬉しい鹿加工品。
銀座にある長野県のアンテナショップでリサーチにリサーチを重ねた結果、商品化されたのは「長野グラノーラ」です。
健康や美容にも嬉しい鹿肉を女性に届けたい!「長野グラノーラ」
実は鹿肉は鉄分が豊富で脂肪も少なく、食材としても非常に栄養価の高いもの。貧血予防に役立つ鉄や脂質代謝に関与しているビタミンB2も多く含んでいます。
また、多価不飽和脂肪酸が多く、さらにリノール酸・αリノレン酸・ドコサヘキサエン酸(DHA)を含んでいます。DHAについては以前の記事でも取り上げたように、ダイエットをする方にもオススメの栄養成分です。
そこで、鹿肉を女性にぜひ召し上がってほしいというCEO原田様の思いがこめられ、試行錯誤を重ねて「長野グラノーラ」が開発されました。
通常ハンバーグや缶詰などの鹿肉加工品は見かけますが、この「長野グラノーラ」は乾燥させた鹿肉を使用し、オートミールやハトムギ、チアシード、玄米粉など主に有機(オーガニック)食材をブレンド、グラノーラ仕立てに可愛らしい瓶に詰められています。
1瓶に含まれる鹿肉の含有量は他食材よりも最も多く、とはいえ臭みやえぐみなどは全く感じません。旨みが凝縮されたジャーキーのような肉感、ゴロゴロと入ったナッツの香ばしい香り、玄米フレークのサクサク感など、様々な味わいや香り、食感が楽しめます。
この乾燥技術は原田商店様の母体でもある泰真株式会社様から受け継いだもの。元来、長野県の果物や野菜をメインにドライフルーツのカスタマイズをご提案されていたそうで、ホテルのパティシエさんも積極的に導入されているようです。
熟練の乾燥技術を持っているからこそ完成した鹿肉の加工品。
私も初めて試食させていただきましたが、鹿肉のもつ獣らしさなどはいっさいなく、そのままでもスナック感覚で食べ出すとやみつきに。
サラダに混ぜても、スープなどに浮かべてもおすすめ。こしょうがぴりっと効いているので、チーズなどと一緒におつまみとしても美味しくいただけます。女性に不足しがちな鉄分などの栄養素も手軽に栄養も補給できるのも、何より嬉しいポイント。
さらなる挑戦。「鹿塩」。乾燥した鹿肉を調味料へ・・・・
乾燥した鹿肉はグラノーラだけではなく、「鹿塩」というこれもまた驚きの商品としてラインナップされています。
山椒をブレンドし、ぴりりとしたアクセントと、鼻から抜ける山椒の香りがたまりません。使用している塩も藻塩なので、ミネラルも豊富。
パスタやオリーブオイルと混ぜてドレッシングにしたり、ご飯にかけても。卵かけ御飯に一振りすると絶品です。乾燥することにより旨みもつまっているので、お吸い物などにもよさそうです。
今後、この乾燥技術を利用し、さらに鹿肉を利用したオリジナリティー溢れる商品を展開される予定だとか。
広がる鹿の被害と、その命を無駄にしないという動きの中、今までにないコンセプトと商品は、まさに革新的だと思いました。
原田商店ーHARADA SHOTENー様プロフィール
Facebook:https://www.facebook.com/haradashoten/