龍吟 山本山本征治シェフ 体一つに足10本??

今回テーマのはずだった「イカ」のはずが・・・?

前回「蟹」をテーマに発表されると予告されていた通り、蟹をテーマに!!会場からは拍手喝采です。

松葉蟹解禁と同時に鳥取県境港へ出向く山本シェフ。松葉蟹の水揚げ上に直接行き、龍吟用の蟹選別タグを蟹につけていきます!すごいこだわりよう!!
こうして毎日キッチンまで届けられた松葉蟹が「五輝星」というブランドのもの。

映像とともに蟹を使ったお料理13品と発表されていました。
学会発表と同時にyouyubeにもアップされていたので、こちらでもご覧いただけます。(以下はメモになりますので詳細はぜひご覧ください!)

シンプルに茹蟹

綺麗にほぐされた身を蟹殻の器に盛り付けて備長炭のコンロに。蟹に風味をまとわせ一匹丸ごと茹蟹甲羅焼き

松 松“官能”
1、ゆでた蟹の殻を鍋に入れて昆布出汁を入れて火にかける
2、鍋いっぱいだった昆布出汁を煮詰める。あえてあくは取らないそう。昆布をさらにつけて、漉したものに薄口醤油を。さらに鍋に入れてひにかけ、炭火で炙った蟹の甲羅を土瓶に入れ、先ほどの出汁を合わせる。これが龍吟流蟹出汁。

丹波マツタケをワイングラスに入れ 蟹尽くしコースの前菜1品目ではお客様の目の前で先ほどの出汁を注ぐ。ワイングラスでしか表現できない香りの立ち方です。

セイコ蟹

1、セイコ蟹を真水で締め、鍋に湯を沸かした中に藻塩と昆布、そして先ほどの蟹を投入。蟹包丁で身をほぐし、内子・外子・ほぐした身を一緒に特製の甲羅の形をした銀皿に盛り付ける
2、この状態で銀の熱伝導を生かしてて熱々に熱する
3、伝統工芸品の輪島塗伝統技師に特注で作った蒔絵の器(なんとセイコ蟹用に作ったもの!)に盛り付けます。また、東京葛飾の伝統工芸品の江戸切子清水ガラスを上にかぶせる(エドドームと呼ばれていました)

五輝星のお造り

蟹の表面が青光り、裏の腹が赤いものを見極めます。松葉蟹はこの青蟹を見極めが大事。
松葉蟹は名称であり青蟹こそがブランドものとおっしゃっていました。
1、生の状態で殻をとり、これの赤い皮を取り除き酢で締める
2、蟹の出汁に熟成ポン酢 純100%の蟹みそを合わせて蟹みそポン酢が出来上がる 仕上げにこちらはすだちでしょうか?
3、それをまた蟹の甲羅に注ぎ、周りに蟹身を敷き詰めてお造りに。わさびをつけてポン酢といただく

残ったポン酢と青蟹の爪は松葉晩秋焼きに
片岡鶴太郎さん作の長皿に盛り付けられていました。

龍吟バーガー

1、かさ開きのおおぶりマツタケに日本酒熟成古酒をスプレーに入れ、このマツタケにかけながら炭火で焼く 塩も少々・・・。ガーゼをしてさらに古酒かけて焼く
2、すだちちを絞ってゆで蟹のほぐし身を傘の上に乗せる
3、蟹出汁の餡をかけ、上部をこんがりと焼き、振りゆず。これをなんとまたマツタケのかさでサンド!!これが龍吟バーガー。おいしそうです。

先ほどの蟹爪を播州焼き?

坂井町の隣兵庫県も日本一の蟹生産地。兵庫県播州の名産こそ“にぎりばさみ”という工芸品。そこで、蟹のハサミだけを使った焼き蟹を龍吟では播州焼きと名付けているそう。
1、ゆでた蟹爪を殻ごと炭火に乗せ、蟹みそと蟹の身の上にさらに蟹甲羅を乗せることで、蒸し焼きのように
2、蟹出汁醤油を垂らし、すだちを絞ってすだちの酸味とさらに振りゆずの香りでまた甲羅を挟み直す。最後は銅ドームで覆って香りを閉じ込めます。

松×松 しゃぶ

1、お造り同様、生の松葉蟹の殻をとり、赤い薄皮を取ったもの氷水でしめる
2、茹蟹のほぐし身を蟹みそで和え、マツタケを切って備長コンロに。蟹出汁を入れてマツタケを加え、蟹味噌と和えたほぐし身を甲羅の器に煮立たせる。マツタケの香りがたたらそこでしゃぶしゃぶ!!香りがこちらまで届いてきそうです。

若松葉(水蟹)

1、手足を外したもの(爪と胴体)を蒸気で蒸してほぐし、蟹味噌は別にして熟成の紹興酒(*味わいが乏しい若松葉の味噌は相性の良い紹興酒でこくやうまみを補う)と和える
2、足はゆで、霜振りにする
3、若松葉の足は半生がベスト。白髪葱、針生姜、刻み香菜を合わせて蟹の甲羅へ。茹でた手足の部分とこちらの野菜をを重ねて盛り付ける
4、松葉蟹の抜け殻は鍋に入れて、太白ごま油を加えて鍋にいれて火にかけ、蟹油とする
5、ごぼううどん(ごぼうと蟹の相性が好きで探して見つけたのがごぼううどんだそう)をゆでて締め、ごぼうの香りのうどんに、蟹味噌と和えた蟹のほぐし身を混ぜ合わせる。ごぼうとかには相性が良いのだそうです!
6、器に盛り付けて先ほどの蟹甲羅をのせ、蟹醤油(甲羅をつけたもの)、220度の蟹油を上からかける。蟹出汁のうどんつゆをはり、蟹の甲羅から外して全部をよく混ぜる

龍吟流の蟹のてんぷら 白砂衣

1、御膳、Angelight、未粉でんぷん、BPの四種の粉に半分に濃縮した蟹出汁を混ぜる。茶せんに絡ませて上から振って油の中へ。天かすを作るように1の衣を油で揚げてあげて蟹風位の白砂衣を作る
2、青蟹を10秒間ゆでて赤い薄膜を傷つけないようにハサミで綺麗に開き、白粉を振って先ほどのあられ状の衣をつけ、キャノーラ油・太白・太香の龍吟ブレンドオイルにて28秒間揚げる
人間国宝の方が作った器に盛り付け、蟹味噌を添えてディップしながら食べるという贅沢!!

そして土鍋で炊いたご飯に、蟹出汁餡・白砂揚げのマツタケ・蟹味噌にディップしてあげた蟹の足を添えて内子を乗せたら天丼仕立てにも。

この白砂衣にすることでいつまでもパリッとして楽しめるものになっているそうで、以前の学会でも拝見したことがあったのですが、目から鱗でした。

安楽焼き

有田焼の安楽窯からは蟹甲羅の皿を特注で。
1、280度のオーブンに入れて260度に熱したこちらのお皿に、ほぐして蟹味噌と和えた蟹身を入れ、さらに蟹みそを上にかけて上の表面を炙る
2、カチョカヴァロ(岡山県吉田牧場のもの)を切って上に乗せてさらに表面を炙ってとろけさせる
3、備長コンロに乗せ、ミモレットビエイユを削り上に振りかける
4、酢ムリエバター(内堀醸造)を鍋に入れて御膳粉を加えて炒め、龍吟御用達の中洞牛乳を加えてとろみをつけ、蟹出汁でのばす
5、コンロのまま提供。お客様に穴を作っていただきそこに先ほどのホワイトソースを流してもらう
おこげも美味しそう!

松葉セイコ!?

1年のうちに10日間しかこの料理は提供されないそう
1、セイコ蟹外子と内子とゆでた身(味噌つき)を土鍋に。蟹出汁とともに炊いた米とマツタケをカットしたものに蟹醤油・蟹みそ(松葉蟹)を入れて炊く
2、炊いたご飯にマツタケをさらに加えて炊き上げ、セイコ蟹の先ほどほぐしたものと湯でた足を入れて松葉蟹とセイコ蟹のダブルで!!マツタケも加えます

そこにお椀ものも。

豆腐は薄く薄く切り、上部を残して細かく切れ目を入れて筆のようにし、蟹の出汁を張った中にふんわりと菊のように浮かべる

〆のご飯にはお雑炊バージョンも。
先ほどの炊き込み御飯にさらに蟹出汁を入れて蟹雑炊。このまま一度頂いた後に、蟹の甲羅に入れてオーブンで焼きあげ温泉卵を乗せる。崩していただくのがまた美味しそうなのですが、さらにアルバの白トリュフを削って上に載せてました!

龍吟の山本さんの技法の数々には感激でした。こちらのVTRはどなたでもご覧になれるそうなので、ぜひチェックしてみてください!